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NII情報
全国規模の学術情報ネットワークとクラウドの特性いかしたアイデア競う/ 「SINET学生賞」に2チーム決定
学術情報ネットワーク「SINET5」と「クラウド」の活用に関するアイデアソンを6月22日の「国立情報学研究所 オープンハウス2018」で開催し、「SINET学生賞」に、「NULLキャン△(仮)」(常廣 翔太、星 孝雅、横田 悠太郎)、「チーム計ラボ」(Phi Le Nguyen、Xiaolan Jiang、Tianyu Zhang)の2チームを選出しました。
「学術情報ネットワーク(Science Information NETwork: SINET(サイネット))」は、NIIが日本全国の大学や研究機関などの学術情報基盤として構築・運用している情報通信ネットワークです。現在、850以上の大学や研究機関などが加入しています。2016年(平成28年)4月からは、国内の全都道府県を100Gbpsの超高速ネットワークでつなぎ、国際回線も増強した「SINET5」の本格運用を開始しました。そして現在、SINETに26拠点以上の商用クラウドが直結しており、SINETに接続している大学や研究機関などは、これらの商用クラウドを高速・安全に利用することができるなど、日本の学術コミュニティーの発展に不可欠なインフラとなっています。
本アイデアソンでは、SINET5が提供する通信速度100Gbpsという「広帯域」と全国をフルメッシュでつないだことによる「低遅延」という特性や、SINET5に直結するクラウドやそれ以外のクラウドの利活用、あるいはSINET5とクラウドの両方の特性をいかして、これまでは実現できなかったイノベーションを生み出すようなアイデアを競いました。
「NULLキャン△(仮)」は、神奈川工科大学の3年生3人によるチームです。街頭カメラやセンサーから得られた大量の情報を利用して、多数の通行人の中から病気の人を疑いのある人を自動判別し、その人に健康診断の受診や病院に行くことを薦める、というアイデアを披露しました。アイデアの新規性と、SINETの特徴である広帯域性がこのアイデアの基盤となる点が高く評価されました。
「チーム計ラボ」のメンバーは、総合研究大学院大学 情報学専攻 計宇生教授の研究室で学ぶ3人です。異なる遠隔地にいる複数の医師が参加する「遠隔ロボット手術」のアイデアを提案しました。この手術の実現には、SINETの広帯域と低遅延性が不可欠である点が評価のポイントになりました。
本アイデアソンは「学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)」および「さくらインターネット株式会社」にご協力、ご協賛いただきました。
NIIでは、今回のアイデアソンで提案されたアイデアについて、実現性の高いものについては今後のSINET事業に採り入れる予定です。SINET5の活用法を募るアイデアソンの開催は、昨年のオープンハウス(*1)に続いて今回が3回目です。NIIは今後も利用者の声に積極的に耳をかたむけ、日本の学術研究を支える学術情報基盤をさらに発展させていきます。(文中敬称略)
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- (*1): 2017年6月12日付ニュースリリース「『SINET5』の活用に関するアイデアソンを開催/『SINET賞』『SINET学生賞』を決定」参照。
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