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「ORCID」との連携機能を追加/「研究者リゾルバー」の機能を集約-科学研究費助成事業データベース「KAKEN」

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は、文部科学省、日本学術振興会と協力して作成・公開している科学研究費助成事業データベース「KAKEN」に、国際的に普及が進んでいる研究者識別子「ORCID」との連携機能を追加(下図)し、8月22日午前10時30分から公開を始めます。今回のORCID連携機能の追加により、NIIが提供してきた「研究者リゾルバー」の機能が「KAKEN」に集約されることになります。「KAKEN」への機能集約に伴い、「研究者リゾルバー」の公開は8月29日をもって終了する予定です。

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図 「KAKEN」の研究者検索結果の画面にORCIDへのリンクが表示される

「ORCID(Open Researcher and Contributor ID)」は米国の非営利組織「ORCID, Inc」が管理する研究者の個人識別子です。ORCIDは地域や専門分野、組織を超えて各研究者に一つのIDを付与することで、研究者の所属組織の変更はもちろん、他国への移住や研究分野の変更があっても永続的に研究者を識別することができます。また、結婚や文化的事情などによって改名したり、ファーストネームの略語が一貫性なく表記されたりしても、適切に識別できることが期待されています。

「KAKEN」データベースでは、6月に追加された研究者検索機能により、科学研究費(科研費)の助成を受けた採択課題や研究成果の概要を、研究者単位で一覧することができるようになりました。研究者の氏名で検索すると、科学研究費補助金を得た課題の一覧が表示されるほか、研究成果報告書に記載された研究成果(学術論文、図書、学会発表など)の情報と共同研究者の情報が一括して表示されます。研究者自身が世界的に統一された識別子であるORCIDを使って認証することにより、研究者とその研究成果を、より正確に関連づけられるようになります。

これまで、「KAKEN」の研究者検索機能はNIIの学術論文情報検索サービス「CiNii Articles」「researchmap」(*1)「J-GLOBAL」(*2)、ORCIDなどの著者情報とは直接連携しておらず、「研究者リゾルバー」(*3)を利用する必要がありました。一方、「研究者リゾルバー」では、研究課題や共同研究者などから研究者を検索することができませんでした。

今回、「KAKEN」に「研究者リゾルバー」の機能が集約され、「KAKEN」の研究者検索で研究課題や成果物、共同研究者等からの研究者の検索が可能になり、他サービスとの直接リンクも実現します。

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(*1)「researchmap」: 日本の研究者約26万人が登録する研究者総覧。サービスの提供及び運用は科学技術振興機構(JST)が行い、JSTの委託を受けたNIIがサービスに関する研究開発を担当。
(*2)「J-GLOBAL」: JSTが運営する総合的学術情報データベース。研究者、文献、特許、研究課題、機関、科学技術用語、化学物質、遺伝子、資料、研究資源の各情報を収録する。
(*3)「研究者リゾルバー」: 日本の研究者を識別・同定し、web上の研究者リソースへのリンク付けをするサービス。
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