ニュース / News
ニュースリリース
高等教育機関のための情報セキュリティ規定と教材の普及啓発で 文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)を受賞
曽根秀昭 東北大教授、金谷吉成 東北大特任准教授、上田浩 法政大教授、 長谷川明生 中京大教授、小川賢 神戸学院大教授が共同で受賞
文部科学省が本日4月7日に発表した「令和2年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、「高等教育機関のための情報セキュリティ規定(*1)と教材の普及啓発」の業績により、曽根秀昭 東北大学教授/情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)客員教授、金谷吉成 東北大学特任准教授/NII客員准教授、上田浩 法政大学教授/NII客員教授、長谷川明生 中京大学教授/NII客員教授、小川賢 神戸学院大学教授/NII客員教授によるグループが「科学技術賞(理解増進部門)(*2)」を受賞しました。
曽根教授らは、高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集と教材を作成・公開することにより、情報セキュリティポリシーの普及啓発と支援を進めてきました。また、最新の状況に対応した改訂(図1)と普及促進も行ってきました。このサンプル規程集は条文サンプルと解説から構成されており、大学等の各機関が情報セキュリティ対策を理解したうえで必要な編集を行うことを通じ、自らの機関に適した規定を策定できます。また、多くの大学が共通して活用できるのも特長です。さらに、情報セキュリティ教材のe-learningシステムによる提供(図2)も特徴であり、多くの大学等で教育に組込んで利用されてきました。情報セキュリティ規定は法律、制度、組織運営、関連技術等の最新の知識が求められる課題ですが、各機関で具体的な参考として役立つよう、標準的かつ活用可能な規定群を策定して各機関の取組みを支援してきました。また、多くの大学等で利用されてきた教材と併せて、わが国の高等教育機関の情報セキュリティ水準の維持、向上にも貢献してきました。
〈図1〉政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群」平成30年度版に準拠したサンプル規程集の改定(2020年2月)
〈図2〉高等教育機関における情報セキュリティ教育のための教材「倫倫姫の情報セキュリティ教室」(2020年3月)
【令和2年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 (理解増進部門) 】
高等教育機関のための情報セキュリティ規定と教材の普及啓発
氏名:曽根 秀昭 (そね・ひであき) 年齢:64 職名:東北大学 サイバーサイエンスセンター 教授 |
|
氏名:金谷 吉成(かなや・よしなり) 年齢:50 職名:東北大学 大学院情報科学研究科 特任准教授(研究) |
|
氏名:上田 浩(うえだ・ひろし) 年齢:48 職名:法政大学 情報メディア教育研究センター 教授 |
|
氏名:長谷川 明生 (はせがわ・あきうみ) 年齢:66 職名:中京大学 工学部 情報工学科 教授 |
|
氏名:小川 賢(おがわ・まさる) 年齢: 44 職名:神戸学院大学 経営学部 教授 |
(年齢は本年4月1日現在)
業績概要:
大学等において情報セキュリティのレベルを確保し向上させていくために、情報セキュリティポリシーとこれに基づく規程、細則、手順書等の策定が求められる。しかし、法律・制度や組織運営、情報通信・セキュリティ技術等に関する専門的知識を踏まえて各大学で策定する必要があるため、その参考となるひな形の規程集やそれに基づくセキュリティ教育教材が求められていた。
本活動では、大学等の高等教育機関を対象とした情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集を情報セキュリティ対策の基準とすべき政府機関統一基準などと整合させて策定し、またセキュリティ教育のための教材を開発して、これらは多くの大学等で利用されてきた。さらに、成果物の公開や継続的な改訂を行うとともに、大学等向けに解説講演や成果報告を行ってきた。
本活動により、各大学等にサンプル規程集を提供することで情報セキュリティ規程等の策定を支援し、また、教材により、大学等の職員や学生に対する情報セキュリティ教育が進むなど、大学等の情報セキュリティ水準の維持・向上に寄与している。
曽根 東北大教授/NII客員教授(筆頭者)のコメント:
このたび『科学技術賞(理解増進部門)』をいただけたことをたいへん光栄に思っております。大学等が情報セキュリティ対策を検討する際に具体的な参考事例として役立てていただけるよう、高等教育機関に適した標準的かつ活用可能な情報セキュリティ規定を策定し、また教材を開発して提供してまいりました。その成果の普及啓発も含め、大学等の情報セキュリティポリシーの策定の取組みがなされて、情報セキュリティ水準の維持、向上に貢献したことをお認めいただいたものと存じます。大学等の教育、研究、運営などの活動において情報セキュリティはますます重要になっており、関係者がその必要性を十分に認識して情報セキュリティ水準を確保し向上させていけるよう、支援する取組みを継続してまいります。最後に、これらの成果は国立情報学研究所 学術情報ネットワーク運営・連携本部 情報セキュリティポリシー推進部会などの委員や関係された皆様とともになし得たものであり、ご協力とご支援に深くお礼申し上げます。
関連リンク
学術情報サービス基盤CiNiiの開発業績によりNII客員准教授/東大人文社会系研究科准教授の大向一輝が令和2年度 文部科学大臣表彰・科学技術賞(開発部門)を受賞 (NIIサイト)
構造化特異値の新しい解釈とそのシステム科学への応用研究によりNII准教授の岸田昌子が若手科学者賞を受賞〜令和2年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰〜 (NIIサイト)
ニュースリリース(PDF版)
(*2) 科学技術賞(理解増進部門):青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進等に寄与し、又は地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った個人又はグループに贈られる賞。
※本発表は国立大学法人 東北大学、学校法人 法政大学、学校法人 梅村学園 中京大学、学校法人 神戸学院 神戸学院大学との共同発表です。
注目コンテンツ / SPECIAL
2024年度 要覧 SINETStream 事例紹介:トレーラー型動物施設 [徳島大学 バイオイノベーション研究所] ウェブサイト「軽井沢土曜懇話会アーカイブス」を公開 情報研シリーズ これからの「ソフトウェアづくり」との向き合い方 学術研究プラットフォーム紹介動画 教育機関DXシンポ 高等教育機関におけるセキュリティポリシー 情報・システム研究機構におけるLGBTQを尊重する基本理念 オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブック 教育機関DXシンポ
アーカイブス コンピュータサイエンスパーク