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ビッグデータ時代の研究の個人情報保護ルールの全体像を説明 ~「オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブック」を発行~
情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は、日本学術会議の協力を得て、「オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブック-学術研究者のための"個人情報"の取扱い方について-」を作成し公開しました。このハンドブックは、研究者がデータを取扱う際の注意点をまとめ、わかりやすく解説したものです。
NIIに「オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブックにかかる検討会」を設置し有識者で議論するとともに、日本学術会議会員ならびに連携会員へのアンケートで集まった疑問点等をQ&A形式で反映するなど、学術研究の実際に沿った内容になっています。
オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブック
-学術研究者のための"個人情報"の取扱い方について-
https://doi.org/10.20736/0002000318
近年の学術研究では、分野を問わず、多種多様なデータを取り扱うことが増えています。データの利活用は、今後の学術研究を進展させるために極めて重要である一方、取扱いを誤ったときには研究の中止や研究成果の撤回に追い込まれるといったリスクも増える等、その取扱いは容易ではありません。研究者の皆様からは、とりわけ個人情報を含むデータに関するルールが具体的にどのようなものであるか分からず、その取扱いを躊躇するといった声が聞かれます。さらに、2022年4月から施行された新たな個人情報保護法においては、公的部門・民間部門を問わず学術研究分野の規律が統一されるとともに、安全管理措置等の規定の適用を受ける(*1)ため、学術研究機関等においても自主規範を策定するといったデータガバナンス体制の構築が求められています。
NIIでは、科学技術・イノベーション基本計画 (*2)に基づき、研究データの管理・利活用のための我が国の中核的なプラットフォームである研究データ基盤システムNII Research Data Cloudの一部として研究データ管理基盤GakuNin RDMの整備を進めていますが、上述の法制度に起因する混乱を避けるべく、文部科学省と連携の下、「オープンサイエンスのためのデータ管理基盤ハンドブックにかかる検討会」を設置し、データを取扱う際の注意点を丁寧に纏めた研究者のためのハンドブックを作成しました。
ハンドブックの読者は、主として大学等の研究機関に属する研究者を想定しています。しかし、それに加えて企業等民間の研究機関に属する研究者、研究のアシスタントや大学事務、さらには研究機関内の研究倫理審査委員会に携わる方等にも有用な内容となるように作成しました。
各章ではまずはポイントを、次いで具体的なQ&Aを示しています。このQ&Aの作成では、日本学術会議会員・連携会員に対するアンケート結果を反映しており、学術研究の実際に沿った内容になっています。
データの取扱いにおいて配慮すべき事項は、個人情報保護にとどまらず、著作権や特許などの知的財産権も含め幅広い領域にまたがっています。今回の第1版では、個人情報保護に焦点をあて作成しました。今後もより研究者にとって有用なものとなるよう、内容を充実していくなどの改版を重ねていきます。
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ニュースリリース(PDF版)
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